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企業ロゴはいつリニューアルすべき?メリット・デメリットを解説

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こんにちは!幅広い制作領域を武器に「新たな驚きと感動を作る」制作会社ジーアングルブログ編集部です。

名刺を渡すとき、Webサイトを訪れたとき。
社名を認識するタイミング、もしくはそれより先に、企業のロゴを目にしていませんか?

創業の歴史、企業理念、顧客・市場へのメッセージなどたくさんの思いが込められた企業ロゴ。皆様大切に使っていることと思います。

一方で、「今の事業内容とイメージが合わなくなってきた」「スマホで見ると細部が潰れてしまう」と、どこかで引っかかりを感じている方もいるのではないでしょうか。

ロゴのリニューアルは、デザインの好みで決めるものではなく、「経営の節目」とセットで考えるもの。

今回はそんな「企業ロゴ」のリニューアルに適したタイミングと、刷新のメリット・デメリットや、失敗を防ぐための進め方をご紹介します。ぜひご覧ください。

この記事でわかること

  • 企業ロゴが担っている役割
  • ロゴをリニューアルする主なタイミング
  • 「そろそろ見直すべき?」を判断するチェックポイント
  • リニューアルのメリット・デメリットと国内外の事例
  • 失敗を防ぐための考え方と進め方

目次

企業ロゴは飾りに非ず。意味と役割を再確認

当たり前のことではありますが、企業ロゴは社名を飾るためのマークではありません。

ビジョンや理念、顧客への約束をひとつの形に凝縮した、企業にとって重要な資産のひとつです。

その価値がよくわかるのがスターバックスです。店名を聞いただけで、緑の円の中に描かれた人魚を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

文字で読んだ社名よりも、目で見た形と色のほうが記憶に残りやすい。

ロゴが認知度の向上とブランディングの両方に役立つ理由は、ここにあります。

企業ロゴが担っている本質的役割

企業ロゴの役割を一言でいえば、言葉にすると長くなりがちな企業のアイデンティティを、一瞬で伝える「コミュニケーション装置」です。

理念やビジョンを文章で伝えようとすると、どうしても文字数が増え、読み手の負担も大きくなってしまいますが、ロゴは見た瞬間に「どんな会社か」という印象を届けられます。

(会社案内の理念ページを最後までじっくり読んでくれる人は、残念ながらそう多くありません……)

さらに、ロゴはあらゆる接点の起点になる存在です。

  • 名刺・封筒・請求書などのビジネスツール
  • Webサイト・SNS・広告
  • 採用サイト・会社案内
  • 製品・パッケージ・作業着・社用車・看板

これらすべてに同じロゴが入ることで、顧客の受ける印象が接点ごとにバラバラにならず、ひとつの企業として認識しやすくなります。

何度も目にするうちに、意識しなくてもブランドを思い出せる状態に近づいていく。
この積み重ねこそが、ロゴが「資産」と呼ばれる理由です。

この積み重ねは、Web上の接点でも欠かせません。

取引先や顧客、求職者が企業を調べ、比べる場の多くは、今やWeb上にあります。

Gartnerが750人のBtoB購買担当者を調査したところ、売り手と直接会う時間は検討期間全体の17%にとどまりました。
検討期間の多くは売り手と関わらずに情報を集め、検討する時間です。
参考:https://www.gartner.com/en/sales-service/insights/b2b-buying-journey

つまり企業は、自社の担当者が補足できない場で比べられている時間のほうが長いのです。

そうした場で、ロゴは自社サイトや求人サイト、オンライン会議の画面などに、ほかの企業と並んで表示されます。
顧客はロゴをじっくり見るわけではありませんが、名刺や展示会で目にした形を見かければ、「あの会社だ」と結びつけます。ロゴは、接点と接点をつなぐ目印でもあるのです。

裏を返せば、ロゴを変えるとこの「積み重ね」にも影響が及びます。
リニューアルを検討する際に「何を変え、何を残すか」が重要になる理由は、記事後半で詳しく解説します。

キャラクター・色・形によって人々の記憶に残す意味

人はブランドを「言葉」よりも「形と色」で覚える傾向がある、といわれています。

ロゴにコーポレートカラーや独自の形を盛り込むと、「〇〇社といえばこの色、この形」というイメージを顧客に持ってもらいやすくなります。

色が人に与える印象については、以下の記事でも詳しく解説しています。

▶関連記事:色彩心理学からキャラクターデザインを紐解く|色の役割と企業キャラの傾向は?

形と色に加えて、ロゴと相性がよいのがキャラクターです。

たとえば、堅いイメージを持たれやすい業種の企業が、ロゴにかわいらしいマスコットを添えたとします。
「真面目そうな会社なのに、こんなキャラクターがいるんだ」という意外性は、それだけで印象に残るきっかけになります。

キャラクターには表情や動きがあるため、SNSで発信できる話題が増える点も見逃せません。

ロゴ単体では伝えにくい「親しみ」を補えることが、キャラクターを組み合わせる強みです。

ロゴとキャラクターは、役割分担で考えるとわかりやすくなります。ロゴが担うのは「信頼」、キャラクターが担うのは「親しみ」です。
ロゴは堅実なデザインのまま残し、親しみやすさはキャラクターで補う。
こうした組み合わせ方なら、ロゴを大きく変えずにブランドの印象をアップデートすることもできます。

自社キャラクターの作り方や、小さく始める進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。

▶関連記事:キャラクターマーケティングとは?成功例やメリット・デメリットを解説
▶関連記事:キャラクターマーケティングをスモールスタート!流れを解説

企業ロゴをリニューアルする主なタイミング

ロゴのリニューアルに適しているのは、会社に変化があったときです。

社名や経営体制、事業内容が変わる節目は、「なぜロゴを変えるのか」を社内外に説明しやすいためです。

裏を返せば、変える理由を語れないままのリニューアルは、デザインがどれだけ優れていても「なぜ今?」という疑問を残してしまいます。
ロゴを変えるかどうかを考える前に、まず「今は変える理由がある時期なのか」を見極めることが欠かせません。

ここでは、代表的な3つのきっかけを紹介します。

なお、いずれの場合もWebサイトや採用サイト、会社案内などの刷新と時期を合わせると、切り替えの手間を抑えながら印象をそろえやすくなります。

社名変更・M&A・グループ再編

社名や資本関係が変わると、そもそも既存ロゴを使い続けられなくなる場合があります。旧グループの名称やマークを含むロゴであれば、なおさらです。

あわせて、新しい体制になったことを取引先や顧客に伝える必要も生まれます。

代表的な例が、ハンズ(旧・東急ハンズ)です。
同社は2022年3月にカインズの子会社となり、10月に社名を「ハンズ」へ変更しました。

「東急」を含む商標などは、移行期間を経て2024年3月末までにすべて使用を終える予定とされ、社名変更と時を同じくして、創業から46年間使ってきたロゴも漢字の「手」をモチーフにした新しいデザインに切り替えています。

発表の記者会見で会長は、長年親しまれてきた旧ロゴにすぐ並ぶとは考えていないとしたうえで、新しいロゴをこれから育てていきたいと語りました。

その後、創業50周年を迎えた2026年には、新旧2つのロゴを両面に刺繍した記念のトートバッグも販売されています
社名の変更とあわせてロゴを切り替えたことで、新しい体制のスタートが、紙袋や看板といった日常の接点でも示された形です。

創業・設立の周年

周年は、これまでの歩みとこれからの方向性をあわせて発信できる、ロゴを変える理由を伝えやすい機会です。
「〇周年を機に」と添えるだけで刷新の理由になり、記念の挨拶や告知とあわせて発信できます。

スターバックスは、創業40周年にあたる2011年にロゴを刷新しました。
外周の円と「STARBUCKS COFFEE」の文字をなくし、緑のセイレーンだけを残したデザインです。

40周年という節目に合わせたことで、ロゴの変更をブランドの次の段階を示す出来事として打ち出した例といえます。

事業転換・新規事業の立ち上げ

事業の中身が大きく変わったとき、ロゴの刷新は、その変化を社外に説明するきっかけになります。
「ロゴを新しくしました」という話題は、取引先への挨拶や営業の場、プレスリリースなどで切り出しやすく、そこから新しい事業の話へつなげやすいためです。

報道されなくても挨拶状や名刺、営業資料に新しいロゴを載せれば、事業の変化を伝える話の入り口として使えます。

事業の変化に合わせてロゴを刷新した例が富士フイルムです。

同社は、写真フイルムの需要が落ち込むなか、フイルム事業で培った技術を医療や化粧品などの新しい分野に生かし、事業の形を大きく変えてきました。

2006年10月には持株会社体制への移行に合わせて、新しいコーポレートロゴを導入しています。
それまでの六角形のマークをなくし、シンプルな文字の中央に赤いアクセントを加えたデザインです。

「写真の会社」から「技術の会社」へ。技術革新を続ける姿勢が込められた新しいロゴは、その変化を社外に示す役割を担ったと考えられます。

「今のロゴ、少し古い?」と感じた時のチェックポイント

ここまで紹介したような出来事がなくても、日々の業務の中でロゴに違和感を覚えることはあると思います。

ただし、その違和感が「好みの問題」なのか「実務上の支障」なのかは、分けて考える必要があります。

ロゴという会社の象徴を変えるとなると、社内外で多大なる労力がかかるもの。
特定の数人が「古い」と感じているだけでは、ロゴを変える理由として各所を説得するのは難航を極めます。

見直しを検討する根拠になるのは、実際に確かめられる支障があるときです。
ここでは、自社のロゴをその場で確認できる4つのチェックポイントを紹介します。

ロゴから今とは違う事業が連想される

ロゴが今とは違う事業を連想させる場合、自社の担当者がいない場で、事業内容を誤解される可能性があります。

前述のとおり、取引先や求職者が企業を比べる時間の多くは、自社の担当者が補足できない場にあり、顧客は見た瞬間に「〇〇系の会社かな」という印象を無意識にでも受けます。
その印象が今の事業と食い違っていても、その場で訂正する人はいません。

問題になるのは、ロゴが事業を表していないことではなく、違う事業を表してしまっていることです。

  • 事業を連想させない抽象的なロゴ:今の事業とずれようがないため、問題はありません。
  • 今は手がけていない製品の形や、旧事業を示す言葉が入ったロゴ:違う事業を連想させる可能性があります。

確認するには、自社の事業を知らない人にロゴだけを見せ、「何の会社だと思うか」を聞いてみる方法が手軽です。
社内の人間は事業を知っているぶんズレに気づきにくいため、新入社員や社外の知人など、先入観のない人に聞くのがおすすめです。

小さく表示すると見分けにくい

小さく表示されても見分けられるかどうかは、Web上の接点で「あの会社だ」と気づいてもらえるかに直結します。

前述のとおり、Webサイト、SNS、求人サイト、オンライン会議に至るまで、企業を調べ、比較する場の多くは現在Web上にあります。
SNSアカウントを持たない企業でも、小さく表示されたロゴとともに他社と並ぶ場面は少なくありません。

ブラウザのタブで自社サイトのファビコンを見るか、ロゴをSNSのアイコンに当てはめてみてください。

シンボルマークや頭文字を切り出して、アイコン用ロゴを作ることができれば問題ありませんが、アイコンとして切り出せる要素がロゴの中にない場合は見直しを検討する理由になり得ます。

モチーフ・表現に今の価値観と合わない要素がある

ロゴに含まれる要素が、現在の価値観で問題ないのかを確認することも重要です。

作った当時は問題視されなかった表現でも、社会の価値観の変化によって、ステレオタイプだと指摘される場合があります。

その例が、アメリカのパンケーキミックスのブランド「Aunt Jemima(アーント・ジェマイマ)」です。
ロゴに描かれていた黒人女性のキャラクターは、19世紀の「マミー」と呼ばれるステレオタイプの人物像に着想を得たものでした。

2020年、SNSで人種差別的だという批判が高まるなか、ブランドを所有するPepsiCo傘下のQuaker Oatsは、ブランドを廃止すると発表。
同年のうちにパッケージから人物の画像を外し、2021年6月に、ブランド名とロゴを「Pearl Milling Company」に切り替えています。

批判を受けての対応だったこともあり、廃止の発表から新しいブランドの発売までには、およそ1年を要しました。

同社のマーケティング責任者は「人種的ステレオタイプに基づく名前と画像が、事業の成長に向けた投資を難しくしていた」と語っています。

企業ロゴをリニューアルするメリット4つ

ロゴリニューアルのメリットは、新しいロゴそのものよりも、刷新をきっかけに得られるものにあります。
主なメリットをご紹介します。

社内で「自社らしさ」を言葉にし直すきっかけになる

まず、ロゴを作り直す過程の言語化した内容を起点に、自社を語る言葉や情報をそろえられる点があります。

発信といっても、営業、採用、広報といった部署ごとはもちろんのこと、担当者単位でも異なります。
それぞれが自分の言葉で自社を語るため、同じ会社の話でも、相手が受け取る印象は少しずつずれていきます。

顧客は複数の接点で得た情報をもとに企業を比べています。

接点ごとに語られ方が違えば、「どんな会社か」が伝わりにくくなるおそれがありますが、ロゴを作り直すにあたり「自社は何を大切にしているのか」「誰にどう見られたいのか」を言語化することで、全社的に「自社の語り方」をすり合わせる機会になるのです。

動画やSNSでの見せ方まで設計できる

静止した状態の見え方だけでなく、動画やSNSで動かしたときの見せ方まで設計できる点もメリットといえます。

動画やSNSでの発信が増えた昨今、会社紹介や採用の動画、SNSの投稿など、ロゴが映像の中に登場する場面もあります。

その際は、サイト等に掲載する静止画タイプに加え「アニメーションロゴ」も選択肢になるでしょう。

使用ルールを統一できる

SNSのアイコンなど、今のロゴを作った当時には想定していなかった場面での使用ルールを、まとめて整える機会になる点もメリットです。

使用者が色や形を変えていなくても見た目は少しずつずれていき、ロゴを資産にする「積み重ね」の妨げになります。

ルールの整理自体は、もちろんロゴを変えなくてもできますが、後回しにされがちではないでしょうか。

ロゴを作り直すときには、「こういう会社だと伝えたい」という意図があるはずです。
ガイドラインで見せ方を定めておけば、誰が使っても、その意図どおりの見せ方を再現できます。

どの場面でも同じ見た目で目にしてもらえることで、顧客にも見慣れた形として覚えてもらいやすくなります。

企業ロゴをリニューアルする際のデメリット3つ

リニューアルの最も大きなリスクは、それまで積み重ねてきた「見慣れた形」を手放すことです。

加えて、切り替えにかかる費用と手間、新しいロゴを定着させるまでの時間も発生します。

<h3>見慣れた形を失い、「あの会社だ」と結びつかなくなる</h3>

ロゴの形が大きく変わると、顧客がそれまでの接点で覚えてきた形と結びつかなくなる可能性があります。

顧客はロゴに含まれるメッセージを読み解いているわけではなく、見慣れた形かどうかなど、ひとつのデザインや形として見分けています。

名刺や展示会で目にした形と、Web上で見かけた形が違えば、「あの会社だ」とはつながりません。
担当者が補足できない場では、変わったことに気づかれないまま、別の会社として素通りされることもありえます。

また、長く親しまれたロゴほど、変更への反発も起こりやすくなります。

反発が発生した事例:GAP

アパレルブランドのGAPは2010年10月、長年使ってきた青い四角形に白い文字のロゴを、新しいデザインに変更しました。しかし、ネット上で批判が相次ぎます。
同社は一般からデザイン案を募る方針を示したものの、それも取りやめ、導入から約1週間で元のロゴに戻しました。

売上への影響が数字に表れた事例:トロピカーナ

アメリカのジュースブランド「トロピカーナ」は2009年1月、およそ3,500万ドル規模のキャンペーンの一環として、パッケージのデザインを一新しました。
ところが、刷新後の約2か月で販売数量が20%落ち込んだと報じられています。同社は2009年2月に、元のデザインに戻すと発表しました。
ロゴ単体ではなくパッケージ全体の刷新でしたが、見慣れた見た目を失った影響を示す例といえます。

すべての接点の差し替えに費用と手間がかかる

ロゴを変えると、ロゴが載っているすべての接点を差し替える必要があります。

名刺やパンフレット等の印刷物やWebサイトのような比較的変えやすいものだけでなく、看板や社用車、作業着、製品のパッケージなど、作り直しに費用がかかるものも含まれます。

費用の総額は、デザイン費だけでなく、差し替える接点の数によっても大きく変わります。予算を見積もる際は、デザイン費に加えて差し替えの費用も含めておくことが大切です。

接点が多い企業ほど、一度にすべてを切り替えるのは難しく、段階的に移行することになります。
その間は新旧のロゴが混在するため、移行の順番と期間をあらかじめ決めておく必要があります。

全面刷新だけが答えじゃない?「変える部分」と「残す部分」の考え方

ロゴのリニューアルは、「すべて変える」か「変えない」かの二択ではありません。

顧客に見慣れた形として覚えられている部分は残し、支障の原因になっている部分だけを変える。
こうした選び方をすれば、それまでの積み重ねを引き継ぎながら、ロゴを新しくできます。

見分ける手がかりになる部分は残す

色やシンボル、形の骨格など、顧客が見分ける手がかりにしている部分を残せば、それまでの積み重ねを一定引き継ぐことができます。

顧客はロゴの細部まで覚えているわけではありません。
多くの場合、覚えているのは「緑のマーク」「円が重なった形」といった大まかな特徴です。

その特徴が残っていれば、細部が変わっても、同じ会社として結びつけてもらいやすくなります。

その例が、ハンズ(旧:東急ハンズ)です。

2022年の刷新で、ハンズはロゴの形を両手を表すイラストから、漢字の「手」を一筆書きにしたデザインへと一新しました。

一方で、色はそれまでのコーポレートカラーである緑を引き継いでいます。
デザインを手がけた佐藤オオキ氏は、過去を受け継ぎながら未来へ更新するという考えから、この緑を踏襲したとされています。

形を大きく変えた一方で、店頭や紙袋で目にする色は変えなかった刷新です。

支障が出ている部分は変える

変える部分は、ロゴのどこが支障の原因になっているかで決まります。

「今のロゴ、少し古い?」と感じた時のチェックポイントでご紹介した3つの支障は、それぞれ原因になっている部分が異なります。

  • ロゴから今とは違う事業が連想される:旧事業を示すモチーフや言葉
  • 小さく表示すると見分けにくい:細い線や小さな文字、アイコンとして切り出せない構成
  • モチーフ・表現に今の価値観と合わない要素がある:問題視される可能性のある描き方、要素

どこが覚えられているかは、社外の目で確かめる

どの部分が見慣れた形として覚えられているかは、社内の人間だけでは判断しにくいもの。

日常的にロゴを目にしている社員は、細かい装飾も覚えていたり、企業理念をもとに視覚情報を補うこともできてしまいます。

残す部分を確かめたうえでロゴを変えた例がMastercardです。

同社は2019年1月、赤と黄色の円が重なるシンボルから社名の文字を外し、一部の場面ではシンボルだけを使うと発表しました。
デジタル環境でも違和感なく使えるデザインにすることが目的とされています。

変更に先立ち、同社は20か月以上かけて世界規模の消費者調査を実施し、8割以上の人が社名なしでもシンボルを認識できることを確かめていました。
参考:https://www.fortune.com/2019/01/07/mastercard-drops-its-name-from-company-logo-post-text-future-target-nike-apple/
https://www.marketingdive.com/news/mastercard-drops-name-from-logo-banks-on-symbol-only-mark/545449/

円の形と色は残し、文字だけを外す。残す部分を調査で確かめたうえで、変える部分を絞り込んだ例といえます。

Mastercardと同規模の調査はすべての企業が実施できるわけではありませんが、自社の事業を知らない人に今のロゴを見せ、印象に残った特徴を聞くだけで、残すべき部分の手がかりは得られます。

ロゴを変えずに、キャラクターで補う選択肢もある

既存のロゴでは表現できない要素やメッセージを、ロゴには手を加えず、自社キャラクターとして表現する方法もあります。

記事冒頭でも触れたとおり、ロゴは信頼を、キャラクターは親しみを担う、という役割分担ができます。
ロゴの積み重ねはそのまま保ちながら、キャラクターで発信の幅を広げられます。

ロゴの見直しを考えたきっかけが「堅い印象を和らげたい」「SNSでの印象付けや発信を強化したい」といったものであれば、ロゴを変えるより、キャラクターを活用するほうが目的に合う可能性があります。

▶関連記事:キャラクターマーケティングをスモールスタート!流れを解説

ロゴリニューアルの進め方

ロゴリニューアルで特に重要なのは、デザインに入る前の3ステップです。

この3つの手順で確かめることに「大丈夫だ、問題ない」と答えられれば、リニューアルに踏み切るタイミングといえます。

答えられないまま進めると、途中で目的がぶれたり、予算が足りなくなりかねません。その場合は、いったん立ち止まって見送るのも一つの判断です。

STEP1:変える理由と目的を整理する

まずは、なぜ今ロゴを変えるのか、新しいロゴで誰にどう見られたいのかを言語化します。

この整理は、経営層や一部の担当者だけで進めず、営業や採用、広報など、自社について発信する部署をまたいで行うのが理想です。
ここで言語化した内容が自社を語る際の拠り所になります。

この手順で確かめること

変える理由を、社名変更や事業転換といった出来事、または確かめられる支障で説明できるか。「かっこよくしたい」といった好みや、一部の人の独断になっていないか。

STEP2:差し替えの範囲と、費用・工数の見通しを立てる

次に、今のロゴが載っている接点を洗い出し、差し替えにかかる費用と工数を見積もります。

名刺やWebサイトだけでなく、看板や社用車、作業着、製品のパッケージなども対象です

新しい場面の使用ルールを整える工数も、この段階で見込んでおきます。
デザインが決まってから「差し替えの予算が足りない」とならないよう、デザインより先に見通しを立てておくことが大切です。

この手順で確かめること

必要な費用・工数を、デザイン費だけでなくプロジェクトとして確保できるか。

STEP3:残す部分と変える部分を決める

今のロゴのうち、どこを残し、どこを変えるかを決めます。

顧客に見慣れた形として覚えられている・印象に残っている箇所を残し、支障が出ている部分を変える対象にします。

どこが覚えられているかは、自社の事業を知らない人に今のロゴを見せ、印象に残った特徴を聞くなど、できる限り社外の意見を集めましょう。

社外へ依頼する場合、ロゴデザインを担当するデザイナーに頼ってもいいかもしれません。

この手順で確かめること

何を残し、何を変えるかを、STEP1で決めた目的に照らして決められるか。

STEP4:デザインを作成し、実際の使用場面で確かめる

デザイン案ができたら、実際に使う場面に置いて確かめます。

名刺や看板のような大きな表示だけでなく、ファビコンやSNSアイコンのような小さな表示、動画に登場させた場合の見え方も確認の対象です。

STEP5:使用ルールを整え、段階的に切り替える

新しいロゴを使い始める前に、色の指定や余白、最小サイズ、SNSや動画での使い方などをガイドラインにまとめます。

接点が多い企業ほど、一度に切り替えるのは難しいと思います。
看板、製品パッケージ、名刺やパンフレットを発注している間に、社内で差し替えられる資料データに着手するなど、順番と期間をあらかじめ決めておきましょう。

STEP6:変えた理由と残した部分を、社内外に共有する

新しいロゴの公開にあわせて、なぜ変えたのか、何を大切にし続けるのかを伝えます。

社内向けにはロゴに込めた意味と使い方を共有し、社外向けには挨拶状やプレスリリース、営業の場などで刷新を伝えます。
STEP1で言葉にした理由と、STEP3で決めた残す部分が、そのまま伝える内容になります。

長く親しまれたロゴを変えれば、特にBtoCにおいては反発が起こることもあります。
そのときに説明できる言葉を用意しておくことが、新しいロゴを育てていく出発点になります。

企業ロゴのリニューアルをお考えならジーアングルまで

ロゴのリニューアルは、新しいデザインを作って終わりではありません。

変える理由の整理から、残す部分の見極め、実際の使用場面での検証、切り替えまで、いくつもの判断が続くプロジェクトです。

こんなお悩みはありませんか?

  • 今のロゴに違和感はあるが、変えるべきか判断がつかない
  • 社名変更や周年、事業転換に合わせてロゴを見直したい
  • 今のロゴの良さは残しつつ、Web上でも見分けやすくしたい
  • ロゴは変えずに、キャラクターで親しみやすさを加えたい
  • 新しいロゴを動かす、アニメーションロゴも検討したい

ジーアングルは、ロゴ制作に加え、アニメーションロゴやキャラクター開発など、多角的な制作領域を持つ制作会社です。

社外の視点から、今のロゴのどこを残し、どこを変えるべきかを一緒に見極めます。そのうえで、Web上でも見分けやすく、使用場面ごとに見せ方を再現できるロゴをご提案します。

ロゴにキャラクターを組み合わせる、ロゴを動かして動画やSNSで展開するなど、ロゴ単体にとどまらないご提案ができるのも、ジーアングルの強みです。

「そもそも変えるべきかどうか」を考える段階からでも、ご相談いただけます。

ロゴリニューアルについてよくある質問

企業ロゴのリニューアルを検討する際よくある質問をまとめました。

A.ロゴだけ変えてもよいです。

社名変更がなくても、創業の周年や事業転換といった節目、またはロゴから今とは違う事業が連想されるなどがあれば、ロゴのリニューアルを検討しても問題ありません。

A.一律の目安はありません。

費用も期間も、デザインだけでなく、差し替える接点の数と、移行にかける期間によって大きく変わります。

参考として、ハンズ(旧:東急ハンズ)は2022年10月に新しいロゴへ切り替えたうえで、旧社名の「東急」を含む商標などの使用を、2024年3月末までに終える予定としていました。
参考:https://www.fashionsnap.com/article/2022-10-26/hands-logo/

A.新しいロゴの完成・使い始める前に、他社の登録商標と似ていないかを調べておく必要があります。

似たロゴがすでに登録されていると、使用の差し止めなどを求められるおそれがあるためです。

デザイン案ができた段階で、特許庁が提供する無料のデータベース「J-PlatPat」を使えば、似た商標が登録されていないかを調べられます。

あわせて、必要に応じて自社のロゴを守るために商標登録を出願します。判断が難しい場合は、弁理士などの専門家に相談するのが確実です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

企業ロゴは、名刺や看板、Webサイトなど、接点ごとの積み重ねによって無意識に顧客との関係を形作る資産です。

リニューアルはその積み重ねを手放すリスクと、刷新をきっかけに自社の語り方や使用ルールを整え直せる機会の両方を持っています。

ただ、リニューアルは全面刷新だけではありません。
見慣れた部分を残して支障のある部分だけを変える、ロゴは変えずにキャラクターで補うといった選択肢もあります。

もし企業ロゴのリニューアル