楽曲制作からコンサートまで手掛ける!サウンドプロデューサーに聞いた「バンマスって何する仕事?」「音楽監督の役割ってなに?」

こんにちは。音楽からデザイン、映像、バーチャルコンテンツなどのデジタルクリエイティブを幅広く生み出す制作会社、ジーアングルの広報担当です。

ジーアングルの音楽制作チームでは、クオリティ追求に特化したサウンドブランド『miuG』を運営しています。

■クオリティ追求に特化したサウンドブランド:miuG HP

この『miuG』のプロデューサー・小林哲也は、大人気ゲーム『ペルソナ』シリーズの音楽イベント『PERSONA SUPER LIVE』に、毎回バンマス(バンドマスター)として出演を重ねているキーボディストでもあります。

普段はゲームミュージックやBGMを作曲・プロデュースしている小林が、なんで大人気ゲームのライブイベントで、大きな会場(2022年の『PERSONA SUPER LIVE』はなんと幕張メッセでの開催でした!)のステージに立てているんだろう……”バンマス”ってどんな仕事なんだろう……。

自社のスタッフのことながら、ふと不思議に感じてしまった広報担当が、小林本人にストレートに質問してみよう!というのが今回の記事の企画でございます!

目次

「企画の立ち上げからご一緒できている絆は大きい」

ーージーアングル所属前(10年ほど前)まではキーボーディストとして活躍していた小林さんですが、なぜいまだに「コンサートのステージに立つ」というお仕事を貰えてるんですか??

これはありがたいことに、『PERSONA SUPER LIVE』の初回である2008年のコンサートからお声がけいただいて、そのまま継続してご一緒できているから、っていうのが理由の一つですかね。

企画の立ち上げからご一緒できている絆は大きいと思います。

コンテンツとしっかり向き合いつつ、継続して音楽コンサートを成立させるというのは、それなりの時間や関係値作りも必要ですので、現時点では信頼いただいているのかなと。大変光栄なお話です。

当時はそもそも、ゲームミュージックでバンドライブをやろう!という取り組み自体があまり無かったので、このジャンルではパイオニア的なイベントになりましたよね。

ーーでも、普段は楽曲のプロデュースをしたり作編曲をしたり、制作的なお仕事がメインですよね?

そうですね。ゲームメーカー様を中心に、さまざまなクライアントのご依頼で楽曲を制作しております。

今はプロデュース業3割、ディレクター業2割、作家業3割、チームマネジメント2割くらいでしょうか。

作曲時にくらいしか鍵盤を触らなくなってしまいました(苦笑)。

ーー楽曲制作のお仕事と、コンサートのステージにキーボーディストとして立つお仕事って、似てるようで全く異なる技術が必要になる気がするんですけど……

違いますねぇ。同じ音楽のお仕事ではありますけど、使うスキルが全然違うというか。

両立して活躍されている方を本当に尊敬しております。

ーーステージに立つことを想定した、何か特別なトレーニングとかしてるんですか?

普段から備えてトレーニングしているというよりは、だいたい本番の半年前には基礎練習から開始して、少しずつ体をライブ仕様に仕上げていってから、演奏の練習にも入っていく、っていう感じですかね。

ーーなるほど……。やっぱりちゃんと時間をかけて準備していくんですね。

「プロデュースサイドとバンドの中継役」

ーー『PERSONA SUPER LIVE』では”バンドマスター”を担当していますが、いわゆる”バンマス”って具体的には何をするポジションなんですか?

これは現場によって変わるかもしれませんが、『PERSONA SUPER LIVE』の場合は”音楽監督”的な役割も担当しているかもしれません。

”バンドマスター”は、一般的にはバンドの司令塔的なポジションです。バンド全体の譜面を作ったり、各楽器の演奏の指示をしたりとか。

”音楽監督”っていうのはもうちょっと領域が広くて、プロデュースサイドとバンドの中継役って感じなんですよ。

プロデューサーや演出家さんが持っている「こんなことをやりたい」という意図をしっかり汲み取って、「バンドだったらこんな感じで表現できますよ」と伝えていく役割というか。

逆に「これはバンドでは難しいですね」ってこともちゃんとお伝えしないといけないですし。

ーー大きなイベントだと関わるスタッフさんの数も多いし、多様な意見が飛び交ったりしますもんね……。

『PERSONA SUPER LIVE』クラスのイベントだと、ライブの成功のために数百人って単位の人たちが、全員で同じ方向を向いて一体にならないといけない。

そのために音楽や演奏面の責任を持って、意見を調整していく立場って感じですかね。

ーー各方面からの要望や意見の調整もしつつ、バンドのための譜面も作って用意する……。

そうですそうです。『PERSONA SUPER LIVE』は40曲くらいやりますからね!

なのでライブが決まると、ステージに立つ人間の中では僕が最初にセットリストを知らされます。本番の半年前くらいですかね。

そこから今回はどのような方向性なのか、何を大切にしたいのかをプロデュースサイドからヒアリングし、オンステージするバンドメンバーを決めて。

そして各楽曲必要があれば今回の企画にあったライブアレンジをして、譜面を作成して、リハーサルへ……という流れになっていくわけです。

「相手の意見をちゃんと汲み取った上で、自分の良さを追加する」

ーーちなみに、コンサートのステージに立ったりバンマスを担当したりする経験って、普段のゲーム楽曲の制作や作曲活動に生かせる部分はあるんですか?

これはですね、「楽曲のことをよく知っているから、コンサートが更に良くなる」っていう順番が正しい気がします。

例えば『ペルソナ』シリーズって、ナンバリングによって楽曲のジャンルが全然違うんですよ。

『ペルソナ3』だったらエレピじゃなくてピアノだよね、とか。

『5』だったら逆にエレピが良くて、パーカッションも必要だよね、とか。

この辺は『ペルソナ』シリーズのファンの方だったら納得していただけると思います。

原作の楽曲をしっかり理解した上でライブ用のアレンジをしていくと、ステージもよりブラッシュアップされるし、みなさんに喜んでもらえる、という。

ーーなるほど!普段からゲームBGMの制作をたくさん経験しているから、原作の楽曲理解もしっかりできるというか。

バンマスの経験がサウンド制作やディレクションに生かせる部分があるとしたら、人の意見をちゃんと聞く。

ーーシンプル!(笑)

でもめちゃめちゃ大事ですよ。

ちゃんと聞いて汲み取ってから、そこに自分の良さを追加することが大切だと思っています。

逆に音楽監督やバンマスが絶対にやっちゃいけないことは、一方的な視点や偏った意見を出し過ぎること。

「こうじゃないとできない」とか「これは嫌い」「あれはダメだ」とか言ってると、自分の役割は果たせない。

「こうすればできるのでは?」「そういう意見もあるよね」「皆が納得いくポイントはどこだろう」という思考が大切かなと。

ーー当たり前のことのようで、関わる人の数が多ければ多いほど、ここは難しくなりますよね……。

人間ですから、みんな意見が違って当然ですよね。

特にプレーヤー、アーティストの人たちは、全然尖ってていいと思います。

けどまとめ役の人は、良い意見をしっかり集約して、みんなが笑顔で目標に向かって団結できるようにしないといけない。

これはステージの上での表現でも、スタジオワークで楽曲を制作する仕事でも、プロデューサーやディレクターとして統括するポジションでは、共通して大切な意識なんじゃないかなと思ってます。

ーー制作会社のプロデューサーが音楽ライブのステージに立つのって、改めて考えると不思議だなぁ……と思ってインタビューしてみたのですが、すごく本質的なお話になりましたね!

『PERSONA SUPER LIVE』は本当に長くご一緒している最高のステージなので、つい真面目に語りすぎてしまいました……。

2022年のライブは5月24日にBlu-rayで発売されるので、幕張メッセでコンサートを観てくれた方も来られなかった方も、ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいですね。

クオリティに特化したサウンドチーム「miuG」

そんな小林がプロデューサーを務め、ジーアングルのサウンドクリエイターが集結したブランドが「miuG」です。

「記憶に残る音楽作品を作る」ことをミッションとしたサウンドチームは、ゲームミュージックをはじめ、様々な楽曲制作にハイクオリティな作品をご提供します。

音楽制作にお困りの際は、ぜひお気軽にHPからお問い合わせくださいませ!

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