ゲームサウンド実装を悩ます「ループ問題」について’19新卒がまとめてみた。〜前編〜

こんにちは!サウンドチーム新人の藤井です!今年の春に音楽の専門学校を卒業しまして、新卒生としてサウンドチームの一員として働いています!

(弊社のデザイナーに描いてもらった僕の似顔絵です!とっても似てます!)

みなさんも日常生活の中で、

「あぁ、BGMのループってちゃんとこだわらないと、ゲームサウンドデザインに影響でるよなぁ……」
「ちょっと違和感あるけど、同時にSEがたくさん鳴ってるし、多少繋ぎが粗くてもいいかなぁ。
でも上司に突っ込まれると面倒臭いなぁ……」
といった悩みを抱えていらっしゃるかと思います。

こういった全世界を悩ます「ループ問題」について、僕がサウンドチームの先輩から教わった極意を、備忘録としてまとめてみました。ご興味のある方はぜひご一読ください!

まずループの種類を整理

ゲームサウンドのループ方法は、大きく分けて2種類あります。

①ファイル丸ごとループ
②イントロ付きループ

同じループでも、それぞれかなり仕様が異なるので、ひとつずつまとめていきましょう。

「ファイル丸ごとループ」のメリット・デメリット

「ファイル丸ごとループ」は、非常に単純明快なループ方法です。音声データをお尻まで再生して、そのまま頭に戻る、というループですね。

一般的なゲームエンジンであれば、簡単に設定可能なことが最大のメリットとなるループ方法なのですが、その一方で実はサウンドクオリティや楽曲表現を損ねてしまうデメリットも存在しています。

①残響の処理が必要

「なんだかよく分からないけど”ふっと何かが消えてしまったような感じ”がして、ループのつなぎ目が不自然で聞き苦しい……」

そんな悩みを、きっと全人類が一度は抱えたことがあるはずです。先輩に相談してみたら「それは楽曲の最後の“残響”が、頭に入ってないから起きる現象だよ」と教えてくれました。

一般的に、音には全て“残響”が存在していますが、「ファイル丸ごとループ」で楽曲を制作する際、特に残響には細心の注意を払ってデータと作る必要があるのです。

LogicなどのDAWでループ再生をすると残響まで含めてループしてくれるため、制作しているときは自然に聞こえるのに、バウンスしてみるとなんか違う!といった落とし穴もあります。
アレンジャーさんは要注意ですね。

こちらの図が、「ファイル丸ごとループ」仕様で楽曲アレンジからループデータ書き出しまでを実際に行ったプロジェクトデータです。

楽曲を「1Loop」目頭から、「3Loop」目の適当なところまでオーディオ化
└アレンジに使用した音色(Track1以下)をオンにしてバウンス
オーディオの「2Loop」の部分だけ再度オーディオ化
└このデータをゲームに実装

このように、残響を含めて書き出すだけで、「ふっと何かが消えてしまったような感じ」を解消することができました!

ただし、本来存在しないはずの“残響”を1ループ目の頭に故意に入れるため、BGMや効果音の内容によっては不自然に聞こえてしまうリスクもあります。

②イントロをつけられない

構成が必然的に1ループ目=2ループ目以降になるため、楽曲にイントロをつけられなくなり、表現に制限がかかってしまいます。これって実はイントロに限らない問題で、僕も以前リバースシンバルから始まるBGMを制作した際にうまくループができず、泣く泣く曲の始まり方を変更したことがあります。同じような悲しい体験が、今も世界のどこかで起こっていると思うと胸が張り裂けそうな気持ちになります。

「ファイル丸ごとループ」の備忘録

メリット:ゲームエンジンのみで簡単に設定ができる
デメリット:不自然になりやすく、イントロもつけられないので表現の幅を狭める

「ファイル丸ごとループ」の得意なこと、苦手なことを整理してみました。どうも“残響”について理解を深めることが、全世界の悩みを解決するキーワードのような気がしてきました。

今回はこの辺で締めさせていただいて、次回はもっと柔軟にループを設定できる「イントロ付きループ」についてまとめていきますので、引き続きチェックしていただけましたら嬉しいです!

ゲームサウンド実装を悩ます「ループ問題」について’19新卒がまとめてみた。〜後編〜はコチラから!!

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