こんにちは!
幅広い制作領域を武器に「驚きと感動を作る」制作会社ジーアングルの映像プロデューサー・テレーシアです。
現代のマーケティングには、ソーシャルメディアの活用が欠かせませんよね。YouTubeはもちろんのこと、若い世代に人気のあるTikTokとInstagramも効果的に運用することで、ブランドや商品、サービスへ良質なエンゲージメントを獲得することができます。
近年SNSをとても上手に活用し、ブランドとマーケティングに寄与させているのがファッション業界です。
ファッションコンテンツにおいて重要なのは、高品質な映像とクリエイティブなアイデア。今回は商品やブランドを魅力的に引き出すような、SNS動画の最近のトレンドを紹介していきます!
トレンド①:「信頼性」と「親近感」を伝える
ファッションブランドのビデオマーケティングにおける最新トレンドの1つは、動画の中で「信頼性」と「親近感」をアピールすることです。
そのための方法として、社会に貢献する活動や定期的な支援活動を取り入れることが、信頼感・親近感を生むトレンドの一環となっていて、THE NORTH FACEのケースを見てみましょう!
女性が着用しやすい登山ウェアを紹介するブランディング映像ですね。命が掛かる登山シーンだからこそ、女性のからだにフィットするウェアの開発者たちの熱いメッセージが伝わってきます。
プロトタイプを15着制作したというのも驚きのエピソードになっていて、ブランドのこだわりから生まれる信頼性と、女性目線で開発されたウェアの親近感が強く訴求できていますよね。
トレンド②:「サステナビリティ」に加えて「エシカルファッション」を伝える
トレンド①にもつながっていますが、もう一つのトレンドは「持続可能性」や「エシカルファッション」への取り組みをアピールすることです。
ファストファッションが環境や地域社会に与える影響について消費者の意識が高まり、「サステナビリティ」(持続可能性)については業界を問わずブランドが伝えるべきメッセージとして定着しましたよね。
「エシカルファッション」はまだ聞き慣れない言葉かもしれません。直訳すれば「倫理的・道徳的なファッション」となり、柔らかく表現するなら「地球にやさしいファッション」といった意味合いです。
The Woolmark Company(国際羊毛事務局)は2023年に入ってから、少しぎょっとするようなビジュアルも用いて、「石油ではなく、ウールを着よう」という動画を公開しました。
日本語字幕で作られていて見やすく、強烈な印象も残りますよね。
あるファッションブランドでは、自社製品の生産工程を紹介する動画を作成し、持続可能な素材の使用や倫理的な労働慣行をしっかりと公開し、サステナビリティとエシカルファッションへの取り組みを紹介しています。
ファッションブランドに限らず、「サステナビリティ」と「エシカル」は世界的なメッセージトレンドとしてさらに定着していきそうです。
トレンド③:インタラクティブ動画の活用
インタラクティブ動画は、TikTokやInstagramにおける、ファッションブランドの動画マーケティングのもう一つのトレンドです。
視聴者がよりアクティブにコンテンツに関わり、ブランドへのエンゲージメントや興味を高めることができるのが最大の強みですね。NIKEのAir Maxのインタラクティブ動画を手掛けるスタジオの事例を見てみましょう。

こんな感じで、新しいコレクションを紹介する動画を公開し、ユーザーに好きなアイテムやカラーを投票してもらうことができます。細かいユーザーデータを取得することも可能なのに、視聴者からすると能動的に参加していて、広告に触れているという感覚が薄くなります。
日本国内でもこういったインタラクティブ動画は活発化していて、特にTikTokはビジネス広告への取り組みをどんどん強化していますよね。
トレンド④:制作過程や舞台裏を見せる
英語で言うところの「Behind-the-scenes」(制作ドキュメント・舞台裏)のコンテンツは、特にファッション業界ではTikTokやInstagramでの大きなトレンドです。
過程や舞台裏が発信されることで、ユーザーはブランドの背後にあるクリエイティブなプロセスを発見し、ファッション界の奥深くまで垣間見ることができます。
ファッションブランドは、デザインから生地選び、最終的な生産まで、新しいコレクションを制作するプロセスを紹介することが伝統的なブランディング手法として息づいています。
舞台裏のコンテンツを共有することで、ファッションブランドは視聴者とより強いつながりを築き、ソーシャルメディア上でのエンゲージメントを高めているんですね。
トレンド⑤:ノスタルジック・ミュージックの活用
特にInstagramやTikTokでは、音楽が重要な役割を果たします。ブランドの「トーン」を設定し、感情的なつながりを作り出し、ユーザーのブランドイメージを高めていくのです。
TikTokといえば、「最先端の流行曲が使われているのでは」と思いがちなのですが、ブランドによっては懐かしさを感じさせる「ノスタルジーな音楽」を選ぶ傾向が強いようです。
H&Mのこちらの動画で使われているのは、70年代にヒットしたスペインのボーカルデュオ、Baccaraの『Yes Sir, I Can Boogie』。
こちらもH&Mで、曲は2006年の「Lupe Fiasco – Daydreamin’ (feat. Jill Scott)」です。もしかすると、お母さんのお腹の中や幼少の頃に聞いていた曲が、無意識に懐かしさを生み出すのかもしれません。
ノスタルジーな懐かしい楽曲から想起されるイメージが、ブランドとシンクロする形に設計できれば、エンゲージに強力な後押しとなりそうですね!
トレンド⑥:創造性豊かで、ユーモアのあるアイデア動画で攻める
これはトレンドでもあるし、普遍的なアプローチとも言えますが…百聞は一見にしかず。各ブランドのInstagramとYouTubeをいくつか見てみましょう。
ZARAは春や夏の新しい季節の訪れを、VALENTINOは時代ごとのデザインやインスピレーションの進化を、それぞれ感性豊かなクリエイティビティで表現していて、シンプルながら印象に残りますよね。
一方、アウトドアブランドとして名を馳せるmacpacは、極端すぎて思わず笑ってしまう、ユーモア溢れるアプローチ。こちらは公開2か月で100万再生を突破していて、そのインパクトを証明しています。
トレンド⑦:ファッション業界ならではの「多様性」への取り組み
ファッション業界がもっとも独自性を持ち、力を入れているポイントは間違いなく「多様性」への取り組みでしょう。ダイバーシティという言葉は非常に一般的になりましたが、ファッションブランドはさらに細分化したアプローチを見せています。例えば…
- インクルーシビティ(包括性)
- ウーマンエンパワーメント(WEPs/女性のエンパワーメント)
- ボディポジティブ
横文字ばかりの聞き慣れない言葉かもしれませんが、日本でも大手企業や政府が指針を発表したり、取り組みが強化されているものばかりです。
パリ、オペラ座の舞踊監督であり、かつてはエトワール(バレエ団での最高位)でもあったオーレリー・デュポン氏が「美しさとはありのままの状態にこそあり、定義されるものではない」と語るGiorgio Armaniのこの動画が、特にWEPsについての強いメッセージとなっています。
Emporio Armaniの『両親との会話』というタイトルのこの動画は、一度見ただけではメッセージが分かりづらいかもしれません。「僕は二人のママとよく会話をするよ」と語る幼い子ども。「自分たちの家庭とは違う形の家庭がたくさんある。多様性を教えることは、靴を履くようなもの」と語る、お腹の大きなママ。
日本ではなかなかこういったアプローチのメッセージを目にする機会が少ないですが、ファッション業界全体での多様性への姿勢がとてもよく感じられる映像になっていると思います。
まとめ:ブランドにマッチするトレンドを取り入れよう!
最後までお読みいただきありがとうございます。もしかすると、一部のトレンドは「意識高いなぁ…」と感じてしまうものもあったかもしれませんが、いかがでしたでしょうか。
必ずしもすべてのトレンドを踏襲しないといけないということではなく、自社のブランドにマッチするトレンドを発見して、クリエイティブに取り入れることが、ブランディングとマーケティングにおいて本当に重要です。
ジーアングルは海外に渡航しなくても、世界中のロケーションを撮影できるリモート撮影サービスや、さまざまな課題を映像クリエイティブで解決提案する映像制作チームをご用意しています。この記事でご紹介したような事例もご紹介しながら、最適なクリエイティブをご提供しますので、ぜひお気軽に下記サービスページにも遊びにきてください。

